神殺しのクロノスタシスⅣ
「だ、大丈夫羽久!?ほらっ…せめてこれ、ホットチョコレート飲んで。美味しいから」
シルナが、ホットチョコレートの入ったマグカップを渡してくれた。
「あぁ、ありが…」
マグカップを受け取った、その瞬間。
何もしてないのに、マグカップの持ち手が、バキッと音を立てて壊れ。
そのまま、マグカップが俺の膝の上に落下。
同時に、カップに入っていた熱々のホットチョコレートが膝を汚した。
「あっつ!!」
「あわあわあわ。羽久大丈夫!?」
もう、何をしても全く上手く行かない。
どころか、何をしても、不幸しか生まない。
慌てて、シルナと天音が、ホットチョコレートで火傷した膝に、回復魔法をかけてくれた。
申し訳なくて泣きたい。
すると、天音があることに気づいた。
「…!…羽久さん、その頭の瘤…どうしたの?」
おぉ…天音。よく気づいてくれたな。
「あぁ、これな…。今朝、授業の為に教室に行こうとしたら…階段から…椅子が落ちてきて…」
「階段から…椅子…!?」
信じられない事態だと思うだろう?
俺も信じられなかったよ。
でも、実際転げ落ちてきた椅子が、脳天を直撃したら…信じない訳にはいかないだろう?
めちゃくちゃ痛かった。
「そ、そんな不幸なことが…何で羽久さんに…」
「あぁ…うん。それなぁ…」
俺も、この三日間、ずっと考えてるんだけど…。
「とはいえ、エリュティアさんも負けてないですよ」
俺が不幸に見舞われるのを見ながら、ナジュがそう言った。
あぁ、そうだな。
悲しみの青い小人と、契約してからというもの。
不幸の度合いで言うなら、エリュティアも俺と負けてないのだ。
その証拠に。
「…エリュティアさん…その、何でびしょびしょなんですか?」
天音が、恐る恐る尋ねると。
エリュティアは遠い目をして、悲しげに答えた。
「うん…実は、僕の頭上にだけ、ピンポイントで雨雲が発生してて…」
雨に打たれて、びしょ濡れだと。
空、快晴なのにな。
エリュティアの頭上だけに雨雲とか、どんなギャグ漫画だよ。
「しかも…拭こうと思って持ってきたタオルに…いつの間にか穴が空いてて…」
そう言って、エリュティアは巨大な穴の空いた、穴開きタオルを広げて見せてくれた。
これは切ない。
「いっそもう…傘を持って歩こうかと思ってるんだ…」
「…そうか…」
それは…悲しいな。
シルナが、ホットチョコレートの入ったマグカップを渡してくれた。
「あぁ、ありが…」
マグカップを受け取った、その瞬間。
何もしてないのに、マグカップの持ち手が、バキッと音を立てて壊れ。
そのまま、マグカップが俺の膝の上に落下。
同時に、カップに入っていた熱々のホットチョコレートが膝を汚した。
「あっつ!!」
「あわあわあわ。羽久大丈夫!?」
もう、何をしても全く上手く行かない。
どころか、何をしても、不幸しか生まない。
慌てて、シルナと天音が、ホットチョコレートで火傷した膝に、回復魔法をかけてくれた。
申し訳なくて泣きたい。
すると、天音があることに気づいた。
「…!…羽久さん、その頭の瘤…どうしたの?」
おぉ…天音。よく気づいてくれたな。
「あぁ、これな…。今朝、授業の為に教室に行こうとしたら…階段から…椅子が落ちてきて…」
「階段から…椅子…!?」
信じられない事態だと思うだろう?
俺も信じられなかったよ。
でも、実際転げ落ちてきた椅子が、脳天を直撃したら…信じない訳にはいかないだろう?
めちゃくちゃ痛かった。
「そ、そんな不幸なことが…何で羽久さんに…」
「あぁ…うん。それなぁ…」
俺も、この三日間、ずっと考えてるんだけど…。
「とはいえ、エリュティアさんも負けてないですよ」
俺が不幸に見舞われるのを見ながら、ナジュがそう言った。
あぁ、そうだな。
悲しみの青い小人と、契約してからというもの。
不幸の度合いで言うなら、エリュティアも俺と負けてないのだ。
その証拠に。
「…エリュティアさん…その、何でびしょびしょなんですか?」
天音が、恐る恐る尋ねると。
エリュティアは遠い目をして、悲しげに答えた。
「うん…実は、僕の頭上にだけ、ピンポイントで雨雲が発生してて…」
雨に打たれて、びしょ濡れだと。
空、快晴なのにな。
エリュティアの頭上だけに雨雲とか、どんなギャグ漫画だよ。
「しかも…拭こうと思って持ってきたタオルに…いつの間にか穴が空いてて…」
そう言って、エリュティアは巨大な穴の空いた、穴開きタオルを広げて見せてくれた。
これは切ない。
「いっそもう…傘を持って歩こうかと思ってるんだ…」
「…そうか…」
それは…悲しいな。