神殺しのクロノスタシスⅣ
案の定。

俺の恐れていたことが起きた。

「こ、の…!ぼ、僕にこんなことして…お前、どうなるか、分かってるんだろうなっ!」

いきなり、我に返ったように喚き始めた。

「お前の契約は、絶対解いてやらないからな!お前は明日…七日目の日没と同時に、茨の毒で死ぬんだ!ざまぁみろ、僕に逆らった罰だ!」

「そ…そんな!」

と、声をあげたのは天音だった。

「ちょっと待って!ナジュさんを許してあげて…!」

「うるさい!絶対許すもんか!」

…だよな。

これだけ手酷く、ナジュに痛い目を見せられて。

例え土下座されたとしても、絶対に許しはしないだろう。

冷却期間を与えようにも、期限はもう明日なのだ。明日が七日目なのだ。

小人の怒りが収まる前に、契約期間が終わってしまう。

そして明日の日没までに、残る半分近くの感情の小瓶を満たすことは、絶対に不可能だ。

それはつまり、明日ナジュが…毒によって死ぬことを意味する。

「は、はは。ざまぁみろ!僕にこんなことした報いだ。お前は死ぬんだからな、優しくない奴は死ぬんだ!毒が回って、苦しみにのたうち回りながら…」

「死ぬんですか?それは最高ですね」

「…え?」

ナジュは笑っていた。

とても良い笑顔で笑っていた。

…うん、まぁ。

「毒ごときで死ねるなら…幸せじゃないですか」

お前は…そうだろうと思ってたよ。
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