神殺しのクロノスタシスⅣ
いつ最後の小人が出てきても良いように、俺はシルナと共に、棺桶の傍で待機していた。
そんな折だった。
シルナは、ポツリと溢したのだ。
「珠蓮君に、助けを呼んだらどうかと思うんだけど」と。
珠蓮と言えば…少し前に、賢者の石の封印を巡る騒動で共闘した。
別れ際、何かあったら呼んでくれと、通信装置代わりの賢者の石の欠片を置いていった。
その欠片は、今も大事に持っている。
それを使うつもりなのか?
「何で珠蓮を呼ぶんだ?残りの小人はあと一人だろ?」
小人一人につき、一人から二人の契約者がつく。
三人以上の契約者は必要ない。
従って、あとは未だに未契約の俺達二人が、最後の小人の相手をすれば良い。
わざわざ、また外部から無関係の人間を呼んで、生きるか死ぬかの契約に付き合わせる必要はないはずだ。
それなのに、何故これ以上の応援を呼ぶ?
しかも。
応援を呼ぶにしても、聖魔騎士団ではなく…遠く離れた珠蓮を、わざわざ呼びつけるなんて。
何か理由があるとしか思えない。
「ずっと考えてたんだけどね…。この、『白雪姫と七人の小人』が私達の前に現れてから…」
「シルナ…?」
「このタイミングで、こんな魔法道具がこの世に現れたこと…。どうにも…賢者の石の封印と、無関係とは思えないんだ」
…。
…成程。
やっぱり、シルナなりの理由があるんだな。
「それを確かめたいっていうのと…それから、私の記憶が正しかったら…もしかしたら、私と羽久は、契約せずにいた方が良いんじゃないかと…」
「…」
「…あ、ごめん…。何だか煮えきらないことばかり言って…。私にも確証がある訳じゃないから、確かなことは言えないんだけど…」
「別に良いよ」
シルナには、シルナの考えがあるんだろう?
それだけで、理由なんて充分だ。
「もしかしたら、全くの杞憂に終わるかもしれない。私の心配し過ぎなだけかも…」
「それならそれで良いじゃないか?」
心配し過ぎだったね、で終わるなら、それで良い。
むしろ、その方が平和的に解決するじゃないか。
「分かったよ。お前がそう言うなら…珠蓮に助けを求めてみよう」
来てくれるかは、分からないが。
出来るだけのことはしておくべきだ。
後になって、「やっぱりあのとき…」と後悔するよりはマシ。
「ごめんね…羽久」
「気にすんな」
何年相棒やってると思ってるんだ。
俺は、シルナの味方だよ。
そんな折だった。
シルナは、ポツリと溢したのだ。
「珠蓮君に、助けを呼んだらどうかと思うんだけど」と。
珠蓮と言えば…少し前に、賢者の石の封印を巡る騒動で共闘した。
別れ際、何かあったら呼んでくれと、通信装置代わりの賢者の石の欠片を置いていった。
その欠片は、今も大事に持っている。
それを使うつもりなのか?
「何で珠蓮を呼ぶんだ?残りの小人はあと一人だろ?」
小人一人につき、一人から二人の契約者がつく。
三人以上の契約者は必要ない。
従って、あとは未だに未契約の俺達二人が、最後の小人の相手をすれば良い。
わざわざ、また外部から無関係の人間を呼んで、生きるか死ぬかの契約に付き合わせる必要はないはずだ。
それなのに、何故これ以上の応援を呼ぶ?
しかも。
応援を呼ぶにしても、聖魔騎士団ではなく…遠く離れた珠蓮を、わざわざ呼びつけるなんて。
何か理由があるとしか思えない。
「ずっと考えてたんだけどね…。この、『白雪姫と七人の小人』が私達の前に現れてから…」
「シルナ…?」
「このタイミングで、こんな魔法道具がこの世に現れたこと…。どうにも…賢者の石の封印と、無関係とは思えないんだ」
…。
…成程。
やっぱり、シルナなりの理由があるんだな。
「それを確かめたいっていうのと…それから、私の記憶が正しかったら…もしかしたら、私と羽久は、契約せずにいた方が良いんじゃないかと…」
「…」
「…あ、ごめん…。何だか煮えきらないことばかり言って…。私にも確証がある訳じゃないから、確かなことは言えないんだけど…」
「別に良いよ」
シルナには、シルナの考えがあるんだろう?
それだけで、理由なんて充分だ。
「もしかしたら、全くの杞憂に終わるかもしれない。私の心配し過ぎなだけかも…」
「それならそれで良いじゃないか?」
心配し過ぎだったね、で終わるなら、それで良い。
むしろ、その方が平和的に解決するじゃないか。
「分かったよ。お前がそう言うなら…珠蓮に助けを求めてみよう」
来てくれるかは、分からないが。
出来るだけのことはしておくべきだ。
後になって、「やっぱりあのとき…」と後悔するよりはマシ。
「ごめんね…羽久」
「気にすんな」
何年相棒やってると思ってるんだ。
俺は、シルナの味方だよ。