神殺しのクロノスタシスⅣ
「自分の夢…目標…ですか」
毒蛇イレースも、これは良い案だと思ったのか。
即刻却下することなく、思案している。
お眼鏡に適ったようだぞ。良かったな。
「それは、将来なりたいもの、ですか?それとも、どんな大人になりたいとかいう、そんな漠然とした希望ですかね?」
ナジュがそう尋ねた。
すると、天音は。
「それは本人の解釈次第だよ。きっと、人によって様々だと思うよ」
本人の解釈次第?
「ナジュ君の言ったように、将来なりたいものについて書く子もいるかもしれない。他にも、どんな大人になりたいのかの人物像とか、どんなことを成し遂げたいのか、とか…。あるいはもっと直近の目標で、今度の期末試験で良い点を取る、とか」
成程。
それぞれ、夢や目標は自由だもんな。
何十年、何百年後の未来について語るも良し。
今現在、達成したい目標を掲げ、それについて語るも良し。
具体的に何をしたいかについて書いても良いし、もっと抽象的に、こんな感じのことがしたい、とふんわりぼかして書くのも良い。
皆が皆、将来自分が何をしたいかはっきり決めている訳じゃないだろうしな。
聖魔騎士団魔導部隊に入りたい、と思っているだけの生徒もいれば。
魔導部隊の誰々の大隊に入って、そこでどんな仕事をして、どんな役職に就きたい、と。ここまで詳細に考えている生徒もいるだろう。
本人の解釈によって、何処まででも考えが広まるテーマだな。
そして、生徒一人一人、どんな解釈をして書いても良い。
それは本人の自由だし、そこに正解はない。
「成程、良い考えだな」
素直にそう思った。
将来の夢…と言われると、なかなか考えづらいものがあるが。
直近の目標くらいなら、すぐに考えることも出来るだろうし。
これを機に生徒達も、自分の目指す未来像や方向性について、改めて考えることが出来る。
誰しも、何らかの夢や目標は持っているものだし。
それが叶うかどうか、実現可能かどうかは別の話だけどな。
誰にでも適用可能な、良いテーマだと思う。
「天音案、採用して良いんじゃないか?」
「そうですね…。将来の夢、目標ですか…。中高生にしては、やや幼稚なテーマ…と言わざるを得ませんが」
おい、そういうこと言ってやるなよ。
天音が「え?自分幼稚?」って傷ついてるじゃん。
良いじゃないか幼稚で。このくらい漠然としてざっくりしたテーマの方が、生徒も書きやすいだろ。
「初めての試みとしては、充分かもしれませんね。分かりました。ではそのテーマで書かせるとしましょう。皆さん、それで良いですね?」
イレースは、一応俺達に確認を取ったが。
代案がない俺達は、素直に頷くしかない。
それに俺はこのテーマ、なかなか良いと思うよ。
俺自身が書きやすいどうかは、別の話。
「では、テーマはそれで。期限は、本日のホームルームで生徒達に告知して…一週間としましょう」
え、一週間?
え?短くね?
もっと猶予…。せめて二週間くらい…。
「告知用のプリントと、原稿用紙が一人5枚。急いで刷って配布しなくては」
え、5枚?
そんなに書くの?俺はてっきり、一枚か二枚程度だと…。
いくら漠然としたテーマだからって、そんないきなり、5枚も書けるか?
キツくね?
と、色々思ったが。
「あぁ忙しい忙しい。すぐに準備しなくては」
「あ、え、うん…」
イレースは話がまとまるなり、さっさと学院長室を出ていってしまった。
話し合いは終わり、と言わんばかりに。
「…えらいことになりましたね…」
「…あぁ…」
今ばかりは、ナジュと同じ意見だよ。
毒蛇イレースも、これは良い案だと思ったのか。
即刻却下することなく、思案している。
お眼鏡に適ったようだぞ。良かったな。
「それは、将来なりたいもの、ですか?それとも、どんな大人になりたいとかいう、そんな漠然とした希望ですかね?」
ナジュがそう尋ねた。
すると、天音は。
「それは本人の解釈次第だよ。きっと、人によって様々だと思うよ」
本人の解釈次第?
「ナジュ君の言ったように、将来なりたいものについて書く子もいるかもしれない。他にも、どんな大人になりたいのかの人物像とか、どんなことを成し遂げたいのか、とか…。あるいはもっと直近の目標で、今度の期末試験で良い点を取る、とか」
成程。
それぞれ、夢や目標は自由だもんな。
何十年、何百年後の未来について語るも良し。
今現在、達成したい目標を掲げ、それについて語るも良し。
具体的に何をしたいかについて書いても良いし、もっと抽象的に、こんな感じのことがしたい、とふんわりぼかして書くのも良い。
皆が皆、将来自分が何をしたいかはっきり決めている訳じゃないだろうしな。
聖魔騎士団魔導部隊に入りたい、と思っているだけの生徒もいれば。
魔導部隊の誰々の大隊に入って、そこでどんな仕事をして、どんな役職に就きたい、と。ここまで詳細に考えている生徒もいるだろう。
本人の解釈によって、何処まででも考えが広まるテーマだな。
そして、生徒一人一人、どんな解釈をして書いても良い。
それは本人の自由だし、そこに正解はない。
「成程、良い考えだな」
素直にそう思った。
将来の夢…と言われると、なかなか考えづらいものがあるが。
直近の目標くらいなら、すぐに考えることも出来るだろうし。
これを機に生徒達も、自分の目指す未来像や方向性について、改めて考えることが出来る。
誰しも、何らかの夢や目標は持っているものだし。
それが叶うかどうか、実現可能かどうかは別の話だけどな。
誰にでも適用可能な、良いテーマだと思う。
「天音案、採用して良いんじゃないか?」
「そうですね…。将来の夢、目標ですか…。中高生にしては、やや幼稚なテーマ…と言わざるを得ませんが」
おい、そういうこと言ってやるなよ。
天音が「え?自分幼稚?」って傷ついてるじゃん。
良いじゃないか幼稚で。このくらい漠然としてざっくりしたテーマの方が、生徒も書きやすいだろ。
「初めての試みとしては、充分かもしれませんね。分かりました。ではそのテーマで書かせるとしましょう。皆さん、それで良いですね?」
イレースは、一応俺達に確認を取ったが。
代案がない俺達は、素直に頷くしかない。
それに俺はこのテーマ、なかなか良いと思うよ。
俺自身が書きやすいどうかは、別の話。
「では、テーマはそれで。期限は、本日のホームルームで生徒達に告知して…一週間としましょう」
え、一週間?
え?短くね?
もっと猶予…。せめて二週間くらい…。
「告知用のプリントと、原稿用紙が一人5枚。急いで刷って配布しなくては」
え、5枚?
そんなに書くの?俺はてっきり、一枚か二枚程度だと…。
いくら漠然としたテーマだからって、そんないきなり、5枚も書けるか?
キツくね?
と、色々思ったが。
「あぁ忙しい忙しい。すぐに準備しなくては」
「あ、え、うん…」
イレースは話がまとまるなり、さっさと学院長室を出ていってしまった。
話し合いは終わり、と言わんばかりに。
「…えらいことになりましたね…」
「…あぁ…」
今ばかりは、ナジュと同じ意見だよ。