神殺しのクロノスタシスⅣ
「勿論僕だって、簡単になれるとは思ってませんよ?」
あん?
「結構競争率高いですからね、これでも。まず第一に僕が倒すべきは、羽久さんですね」
何で俺?
いきなり指名されたんだけど?
「羽久さんは、教員歴が長い上に、結構イケメンですからね…僕ほどじゃないですけど」
お前は、どれだけ自分の顔に自信を持ってるんだよ。
「しかし昨今、世間のティーン・エイジャー達は、見た目だけではなく、中身…。そう、女子力の高さを重視しているんです」
…。
…なんか言ってんぞ、この人。
女子じゃないじゃん。お前。
「女子力というのは、女子だけに使われるものじゃないんですよ?」
心を読むな。
「その点僕は、家庭的ですしね。裁縫は得意じゃないですが、料理は上手ですし。これは女子力ですね」
ふーん。…あ、そう…。
それの何が凄いのか、いまいち分からないけど…。
「他の対抗馬と言えば、イレースさんと天音さんですけど…。イレースさんは性格がこの通り、キツいですからね〜。やはり生徒にはモテな、いたたたたた」
「何か言いましたか?」
「千切れる千切れる。耳千切れますよ」
馬鹿だなぁ、ナジュ…。
イレースを敵に回すと恐ろしいことになるって、分かってて言ってるんだから…。
不死身だからって、そんな危険な橋を渡るのはやめろよ。
「その点天音さんは、非常に強力な対抗馬です」
「え、僕…?」
名指しされるも、全然自覚がないのか、困惑している天音である。
そりゃそうなる。
「しかし天音さんは、優し過ぎるが故に、大人の男としての魅力に劣る…つまり、生徒に『可愛い』とイジられるタイプの教師です」
「そ、そうなの…?なんか…嬉しいようで、嫌だな…」
お前イジられキャラだよ、って面と向かって本人に言うものではない。
傷つくだろ。
「そして最後に残るのは、これまた非常に強力な…学院長です」
「え、私?」
シルナはきょとん、と首を傾げた。
これまた、自覚はないらしい。
「学院長は本当に強いですよね。生徒からの人気は高いですし…何より学院長には、生徒にお菓子を配って、物質的に好感度を上げる、という最強スキルがあります」
…。
…何を言ってんだ、こいつは…。
シルナは別に、生徒の好感度を上げる為にお菓子を配ってると言うより…。
自分の楽しみを、他の人間にも共有したいんだろう。
しかし。
「今はまだ、学院長に負けているでしょう。しかし、物で釣るという作戦は、長くは続きません。いずれ必ず僕が、イーニシュフェルト魔導学院1の人気教師になってみせます」
…と、自信満々に宣言するナジュである。
「そうなったら、もう学院長なんて目じゃないですね。放課後、学院長のもとに集っていた生徒達も、揃って僕のところに来ることでしょう」
「なぬっ…!?」
これには、シルナも危機感を覚えたらしい。
あん?
「結構競争率高いですからね、これでも。まず第一に僕が倒すべきは、羽久さんですね」
何で俺?
いきなり指名されたんだけど?
「羽久さんは、教員歴が長い上に、結構イケメンですからね…僕ほどじゃないですけど」
お前は、どれだけ自分の顔に自信を持ってるんだよ。
「しかし昨今、世間のティーン・エイジャー達は、見た目だけではなく、中身…。そう、女子力の高さを重視しているんです」
…。
…なんか言ってんぞ、この人。
女子じゃないじゃん。お前。
「女子力というのは、女子だけに使われるものじゃないんですよ?」
心を読むな。
「その点僕は、家庭的ですしね。裁縫は得意じゃないですが、料理は上手ですし。これは女子力ですね」
ふーん。…あ、そう…。
それの何が凄いのか、いまいち分からないけど…。
「他の対抗馬と言えば、イレースさんと天音さんですけど…。イレースさんは性格がこの通り、キツいですからね〜。やはり生徒にはモテな、いたたたたた」
「何か言いましたか?」
「千切れる千切れる。耳千切れますよ」
馬鹿だなぁ、ナジュ…。
イレースを敵に回すと恐ろしいことになるって、分かってて言ってるんだから…。
不死身だからって、そんな危険な橋を渡るのはやめろよ。
「その点天音さんは、非常に強力な対抗馬です」
「え、僕…?」
名指しされるも、全然自覚がないのか、困惑している天音である。
そりゃそうなる。
「しかし天音さんは、優し過ぎるが故に、大人の男としての魅力に劣る…つまり、生徒に『可愛い』とイジられるタイプの教師です」
「そ、そうなの…?なんか…嬉しいようで、嫌だな…」
お前イジられキャラだよ、って面と向かって本人に言うものではない。
傷つくだろ。
「そして最後に残るのは、これまた非常に強力な…学院長です」
「え、私?」
シルナはきょとん、と首を傾げた。
これまた、自覚はないらしい。
「学院長は本当に強いですよね。生徒からの人気は高いですし…何より学院長には、生徒にお菓子を配って、物質的に好感度を上げる、という最強スキルがあります」
…。
…何を言ってんだ、こいつは…。
シルナは別に、生徒の好感度を上げる為にお菓子を配ってると言うより…。
自分の楽しみを、他の人間にも共有したいんだろう。
しかし。
「今はまだ、学院長に負けているでしょう。しかし、物で釣るという作戦は、長くは続きません。いずれ必ず僕が、イーニシュフェルト魔導学院1の人気教師になってみせます」
…と、自信満々に宣言するナジュである。
「そうなったら、もう学院長なんて目じゃないですね。放課後、学院長のもとに集っていた生徒達も、揃って僕のところに来ることでしょう」
「なぬっ…!?」
これには、シルナも危機感を覚えたらしい。