神殺しのクロノスタシスⅣ
仲が良い?

僕と?天音さんが?

内心びっくりしながら、しかし顔には出さず。

それどころか、天音さんの肩を抱くようにして、

「でしょう?実は僕達付き合ってるんで」

と、お茶目な冗談を言ってみる。

途端に、黄色い歓声をあげる女子生徒二人に。

天音さんは顔を真っ赤にして、目をぐるぐる回しながら抗弁した。

「ちょ、何言ってるの。違うよ!ナジュ君、変なこと言わないで!」

「いやいや、照れなくて良いじゃないですか。いくら生徒の前だからって…」

「照れてないよ!ちょっと君達。本気にしないでね?ナジュ君が適当言ってるだけだから!ただの友達だから!」

こういうときは、強く否定すればするほど、照れ隠しに見えるんですよねぇ。

面白いから、何も言わないけど。

それより、天音さん。

恋人じゃないのは確かですが。

でもあなた、僕のことを「ただの友達」と平気で言えるんですね。

僕にとっては、そちらの方が驚きですよ。

おまけに、生徒の目線から見て「仲が良い」と言われてしまうことにも。

天音さん。あなたは、何とも思ってないんでしょうけどね。
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