ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
大海蛇が潜った先には、巨大なはまぐりがいた。縦にも横にも大きく、海底の岩山にも見えるほどの大はまぐりだ。その前にとぐろを巻いたイーシーは、水の中だというのにはっきりと聞こえる声ではまぐりに話しかけた。
「フーラアヌ嬢、戻りましたぞ」
「ほっほっほ、こんな年寄りを『嬢』などと呼んでくれるのは、イーシー、お主くらいじゃのう」
はまぐりは身体を揺らすと、ぷくぷくと泡をはいた。そして、その姿を美しい乙女に変えた。空と海を溶け込ませたような、青と緑が混ざった長い髪を揺らめかせ、珊瑚のように赤い瞳を待つ美女は「こんなオババに」と笑ったが、海蛇は「フーラアヌ嬢はわたしにとって、永遠に美しい乙女ですからな」と恭しく頭を下げてみせた。
「長き友達とは良いものじゃ。さて、どうであった?」
「フィフィール国の護り手たるフーラアヌ嬢からの書簡は、確かにスカイヴェン国の王族にお渡し致しました」
「そうか。ご苦労であったな」
「いえ」
海蛇が「わたしにとっても他人事ではありませんからね」と呟いた。
「フーラアヌ嬢、戻りましたぞ」
「ほっほっほ、こんな年寄りを『嬢』などと呼んでくれるのは、イーシー、お主くらいじゃのう」
はまぐりは身体を揺らすと、ぷくぷくと泡をはいた。そして、その姿を美しい乙女に変えた。空と海を溶け込ませたような、青と緑が混ざった長い髪を揺らめかせ、珊瑚のように赤い瞳を待つ美女は「こんなオババに」と笑ったが、海蛇は「フーラアヌ嬢はわたしにとって、永遠に美しい乙女ですからな」と恭しく頭を下げてみせた。
「長き友達とは良いものじゃ。さて、どうであった?」
「フィフィール国の護り手たるフーラアヌ嬢からの書簡は、確かにスカイヴェン国の王族にお渡し致しました」
「そうか。ご苦労であったな」
「いえ」
海蛇が「わたしにとっても他人事ではありませんからね」と呟いた。