ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
「……んにゃ? ルディさん、おはようございます?」

 フェンリルがふんかふんかと鼻息を荒くしているのを見て、エリナは不思議そうな顔をした。

「どうかしましたか?」

「いや、大丈夫だ。ところで、『チャーハン』とは美味しい食べ物なのか?」

「……美味しいですけど」

 きょとんとした顔の子猫を優しく撫でながら、ルディは言った。

「さっき寝言で『ちゃーはんたべたい』と言っていたから。青弓亭の味見隊長として、夢に見るほど美味しいものならばぜひとも食べてみたいと思ってな」

「ううっ、うにゃあん! わたしったらそんな寝言を言ったんですか? 恥ずかしい!」

 ルディの話の途中から顔を真っ赤にしたエリナは、ベッドの上でじたばたと身悶えた。フェンリルはそんなエリナを楽しげに鼻先でつつきながら「楽しみにしているから、後で頼むぞ。さあ、支度して朝のおやつを食べるといい」と言って、部屋を出て行った。
 子猫のエリナは小さなレディなので、お父さん狼にお手伝いしてもらわなくてもお着替えができるのだ。

「食べ物の寝言を言うとか、お年頃の女子として終わってるにゃん……確かに、チャーハンは大好物だから、久しぶりに食べたいけどね……五目チャーハンも美味しいけど……ニラと豚肉の塩ニンニクチャーハンとかいいよね……」

 エリナはぶつぶつ言いながらも、青弓亭の制服である青いワンピースに着替えるのであった。
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