ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
 まだまだ幼い子猫なので、エリナには朝食前のミルクと甘いおやつが必要である。なにかをお腹に入れないとエネルギー切れになってしまうし、小さいけれど立派な料理人であるエリナは、これから朝食作りに取りかからなければならないのだ。

 というわけで、ドライフルーツとナッツが入った堅焼きクッキーをこりこりとかじり終えたエリナは、いつものように王都警備隊の制服を身につけたルディに抱っこされながら、青弓亭に向かった。

「エリナちゃん、隊長さん、おはようさん。ほら、美味しいりんごを切ってやろうな」

「ありがとう、おじさん」

 エリナを孫のように可愛がる八百屋が、今日のおすすめ果物を食べやすく切って芯を取りエリナに手渡してくれたので、ルディに抱っこされながらシャクシャクとかじる。

「んー、みずみずしくて美味しいです!」

「そうかい、青弓亭のエリナちゃんのお墨付きを貰ったから、今日はりんごが売れそうだな」

「おじさんのところの野菜や果物は、どれも美味しくて大好きですよ」

「こりゃあ、嬉しいことを言ってくれるね!」

 エリナが目利きなことをよくわかっている八百屋は、嬉しそうに破顔した。

 ちなみに、その間ルディはほぼ空気なのだが……エリナが王都で可愛がられていることを誰よりも嬉しく思っているので、黙って尻尾をふっさふっさと振るだけである。
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