ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜4
「おばあちゃんにも噛みやすいお肉の料理か……」

 店内に戻ってきたエリナに、午後のお茶とお菓子を出して、一緒にテーブルについたミメットは「なにか考えごとかい?」と尋ねた。

「姉さん、獣人はお肉が大好きですよね」

「ああ、そうさ。獣人は肉をたっぷり食べないと、身体に力が入らなくなるからね。みんな大好きだよ」

 エリナは『獣人の身体は人間と違って、筋肉がとても発達している……つまり、肉や卵、豆や魚介類などのタンパク質を充分にとる必要があるってことなんだろうな』と考えた。そして、ギルバート全国王や子犬のおばあちゃんなどの、歯が弱くなった獣人について『柔らかな魚介類が手に入りにくいこの国で、肉が噛めなくなってくるというのは、獣人の健康を損なう可能性が高いということなのかもしれない』と思った。

「ギルおじいちゃんは、煮たお肉があまり好きじゃないんですよね」

「そうだね……歳を取った獣人は、柔らかく煮込んだ肉を食べるしかないから、なんていうか、自分の老化を感じて余計に辛さを感じるんだろうと思うよ。まだ小さなエリナにはわからないかもしれないけれど、若い頃は食いちぎるように肉にかぶりついていたのに、くたくたになった肉を食べるしかないという現実に、気持ちも傷つくんだろうなあ……」
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