浅葱の姫。
「お、平助。」

永倉様が見つけた。

けれど藤堂様は

目を逸らし立ち去ってしまった。

最近は関係が悪いよう。

「仲が悪いんじゃないんだぜ?」

「そうそう、あさが心配すんな。」

「派閥の違いはよくありますから。

·····こほっ」

皆さんはそう言うけれど

私には昔の藤堂様が

いなくなったようで寂しかった。

沖田様はあれから

風邪をひかれることが増えて

咳をよくするようになった。

そして私は新撰組と初めて年を越し、

慶応元年になった。
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