浅葱の姫。
そしてふた月が経つ頃、

とても悲しい事件が起こった。

「沖田様?」

夕刻、沖田様は慌てて

出かける支度をしていた。

「·····。」

何も答えてはくださらない。

沖田様は馬に乗って行ってしまった。

夕餉の時間。

初めて沖田様は私の隣にいなかった。

代わりに斎藤様がいらしてくれている。

「沖田様·····何があったんでしょう。」

心配していると

斎藤様は教えてくださった。
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