浅葱の姫。
「爺。

皆様の拘束を離しなさい。」

「姫!こやつらは

姫を誘拐していたのですぞ!

大罪でございます!」

白々しい言葉に

私は怒りを覚えた。

「離さぬのなら

私は今ここで自害します!」

そう言って隣にいた

殿方の短刀を抜いた。

爺は渋い顔をした。

「·····分かりました。

自害はおやめくださいまし。」
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