浅葱の姫。
何も言わない私に

斎藤様はお話を続けた。

「ならばこのまま出てゆきなさい。」

酷い。

私に行くあてがないのを知っていて

この人はそんなことを言うのだ。

もうこの人とは

仲良くできない。

そう思った。

「やめろっつてんだろ!」

隣にいる斎藤様の

頭を叩いたのは永倉様だった。

永倉様も知っているのだろうか。

沖田様が私に隠していることを。
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