浅葱の姫。
「フーッ·····!」

沖田様が泣いている。

声を押し殺して。

私は抱きしめた。

私も悲しいから?

可哀想だから?

違う。

抱きしめないと

沖田様は今にも

消えてしまいそうだったから。

「うつりますよ。 」

「そんなの関係ありません。」

労咳がうつるなんてどうでもいい。
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