陰謀のための結婚

 三矢との関係をはっきりさせた私は、母とも話そうと思い母をランチに誘った。

「智史さんとの生活はどう?」

 会って早々に聞かれ、なんだか照れ臭い。

「それは、その、智史さんは優しいから」

 照れ臭いのは、日々がとても甘いもので、母にはとてもじゃないが話せない内容を思い返すせい。

「それはそれはごちそうさま。お母さんもあのアパート、近々引っ越すの」

「そっか。お仕事順調なんだね」

 ふたりで暮らしていたアパートにひとりで暮らすようになったとはいえ、仕事関係の荷物が増え、手狭になってきたと聞いていた。

「お仕事がいただけるのは、うれしい限りだけれど、それだけじゃなくて。実は」

 スマホを操作した母は私に画面を向ける。
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