陰謀のための結婚
温泉卵を作っている間、ジェラートを食べながら足湯をする。贅沢な気分。
ジェラートとそれから温泉卵も食べ終えると、次はどこに行こうかと話す。
「どうやら外湯は日が暮れ始めた頃から、旅館の浴衣で回る人が多いらしい」
スマホで調べていたページを私に向けて、彼は私の帯を指差して言う。
「こういう華やかな帯は温泉に入った後、着付けてもらわずに、どう着るのかと不思議に思ったんだ」
指摘されて初めて気づく。着付けてもらった浴衣を脱いでしまったら、自分では着られない。
「さあ、歩き疲れただろう? 一旦旅館に戻ろう」