もふもふ、はじめました。
「……獣人である岸はもう諦めたと思うが。人間の元彼とやらは、僕の匂いがわからないだろうからな」

 におい? 私はそのままの態勢で彼を見上げた。身長差もあるけど、吉住課長は愛しそうにこっちを見下ろしているから、視線が絡み合う。

「えっと、岸くんには吉住課長のにおいがわかっちゃうってことですか?」

「……そうだ。僕のものだとわかるように君に匂いを付けているってことだ」

 ゆっくり体をかがめて、ちゅっと触れるだけのキスをすると吉住課長は首筋に舌を這わせた。

 人とは違う、ざらっとした刺激が気持ち良い。吉住課長の両手が私のお尻に降りていって、膨らみを揉み出した。

「や、吉住課長……こんなところで……」

 少し奥まった所に居るとは言え、ドアを開けたらきっと誰か居ると言うのはわかってしまう。

 公共の場でいけないことをしているようで、変な気持ちになってしまった。

「……少しだけで良いから。充電させて」

 彼はゆっくりと後ろからタイトなスカートを捲りあげると、タイツの上から秘所に指を這わせた。

 ぺろぺろと熱心に首筋を舐め上げる刺激に、とろっと何かが滲み出したのを感じた。

「良い匂いがしだした。千世。声を我慢して」

 私は恥ずかしくて、彼の首裏に手を掛けて目を閉じた。タイツと下着のゴムを広げ、大きくて熱い手を入れると濡れているそこがくちゅっと音がした。

「やっ……かちょ……恥ずかしい……」

「そのまま目を閉じてて、大丈夫。誰かが近づいて来たら、僕がわかるから」
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