腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
7章:好きになったのは
「ぅわぁあああああ! 今日はやだぁああああああ!」
ぶんぶんと顔を振って、抵抗をする。
これまで、先生のすることに抵抗するなんて考えてもなかった。そもそもこれまでの先生は私の嫌がることなんて一度もしたことなかったし。
それほどまでに、昨夜の出来事は私の中に大きく深くのしかかって衝撃的だったのだ。正直に言えば、いまだに極度の筋肉痛だし、お腹にもしっかり違和感がある。
(あんなの、連日されたら死んじゃう!)
激しく抵抗を続けていると、ふと、先生の動きが止まって、じっと私を見ていた。
それから、ふわりと微笑む。
「もも、大丈夫だから」
優しい声色に私は思わず先生を見つめた。
(あ、あれ……? もしかして、これは本物のリク先生……)