腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 そう思ったとき、口づけられてそのまま口内を貪られる。深く激しいそのキスをされると目がチカチカと眩む。

「んぅっ……!」

(やっぱり違ったぁああああ!)

 くちゅ、ちゅ、と室内に唾液の混ざる水温が響く。不思議とそれを続けているだけで勝手に身体が熱くなる。
 ふにゃりと力の抜けた私の身体から、先生は無慈悲にもルームウェアをはぎ取った。

「な、なんですぐ脱がすんですか!」
「だって見たいでしょ」
「やめてぇえええええ!」

(私は抱かれるなら、普段の先生がいいんだよぉおおお!)

 やだやだ、と抵抗しても、先生は楽しそうに微笑むだけで、どんどん攻める手を止めてくれない。
 泣きそうになって手で顔を覆ったとき、先生は私の手まではぎ取ってしまった。

「隠さないでよ。僕のせいで真っ赤になって泣いてる顔が好きなのに」

(これが先生の本音ーーーーーー!)※2度目
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