腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

「もう、無駄話はおしまい」

 そう言って、少し乱暴に私の足を割り開く。

「ぎゃぁっ!」

 突然の出来事に抵抗してばたついて、先生の顔に手を当ててしまった。

「いたっ……」

 その声に慌てて顔を上げると、先生の右頬に一筋、傷ができていてうっすら出血している。
 思わず先生の頬に触れ、ごめんなさい! と頭を下げた。

 先生は少し乱暴にその傷を拭い、冷たい手で私の頬に触れる。

「悪い子だね。おしおきしないと」

(それ、嫌な予感しかしないヤツーーーー!)
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