腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
―――そんな自分と、ももは昔から正反対だった。
「おはようございます」
「おはよう、もも」
「行ってきます! それと、今日も大好きです!」
昔から自分に懐いて、何故か毎日告白してくる近所の女の子。
最初はそれだけだったけど、ももが高校を卒業する頃には、ももがいない日常は考えられないくらいももの存在が自分の中で大きくなっていた。
もちろん、そんな感情は誰にも気づかれないようにしていたが……。
ももが大学に入ってからも、同じような関係性が続いた。
ももが20歳を超えてからも、手を出す気はなかった。
こんなにいい子は、きっと他の男と結ばれたほうが幸せになれる。本音とうまく付き合えて、それからいつもこの子を一番に思ってくれるような……そんな男のほうが。
そんな風に思っていたからだ。