腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 でも、結婚後、そんな純粋な彼女にすぐに手なんて出せなかった。

 それに、ももは僕に心配をかけないようにと、嘘をついてることもあって、それも気になっていたし……。
 身体を重ねることに関して、ももの本心もきちんと本人の口から知りたいと思っていたから。

 そんな時だ。
 夜の僕がまた現れたのは。

 自分の理性では全くコントロールできない発言と行動をする『夜の僕』。

 実際、現れる予感はなんとなくしていた。

 なにせ、彼女が近くにいて抱けない我慢は、
 我慢の限界なんてとっくに超えていること、僕自身が身に染みて感じていたから。

―――そこで、僕はあることを考えた。
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