腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
「……え?」
「私、結婚してから美奈さんから性的な知識、根こそぎ聞いてて! あれやこれや、たぶん、先生よりたくさん、知識だけはあるんですっ! 初めて抱き合った日より前から、毎日こういうことする変な夢ばっかり見たりして! 完全に欲求不満で、自分で自分が怖かったくらいなんです! だから、先生は私にこういうことするの『無理してる』って言ったけど、全然無理してないんです! むしろ先生とならウェルカムって感じなんです! いまだって、一回でいいのかなって気になって! だってリクさんは『一回じゃ全然足りない』って言ってたし。あの時はびっくりしたけど、今はなんならちょっと二回目以降を期待している自分までいて……!」
口がすらすらと動く。変なこと言ってるのは分かってるから、怖くて先生の顔が見れない。
先生は静かにそんな私の衝撃の告白を聞いてくれていた。
私は言い終わった数秒後、そっと顔をあげて先生をちらりと見る。
「……私のこと、軽蔑、しました?」