腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

「おはよう。もも?」
「お、おはようございます」
「どうしたの?」

 その優しい声に、そっと先生を見上げる。
 いつも通り、笑顔も優しいリク先生。

 昨日の夜だって、こんな笑顔だったけど……。


―――もっと泣いて? 僕にいじめられて泣いてるもも、可愛すぎる。

 その低い声を思い出すとゾクリと体が粟立って、泣きそうになる。

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