腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 それから、二人でどこにいくか悩んでいるとき、私はふと先生に連絡することを思い出した。
 そして、いつもは連絡なんてしないのに、『美奈さんとご飯食べて帰ります』とメールを入れる。

「どうしたの?」
「いえ……」
「そういえば、昨日ワインいただいたのよ。せっかくだし、うちに来ない?」
「はい、もちろん」

 私は頷いて、美奈さんのマンションに向かった。

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