腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

―――もっと泣いて? 僕にいじめられて泣いてるもも、可愛すぎる。

「わ、私も喜ばせてあげたかったんですけど……。リク先生の喜ぶ理由が私の思ってた方向性じゃないみたいで……!」

 私はリク先生のためなら、なんでも頑張れると思ってた。
 でも、どうやって頑張っていいのか分からない……。

「ど、どうしたのよ! 喧嘩でもしたの?」
「私は一体どうすればいいのか……分からないんです……!」

 泣きながら、私は手に持っていたワインをグイと煽る。
 心底落ち込む私の背中を、美奈さんはよしよしと撫でてくれた。

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