腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
―――その時、
美奈さんの家のインターホンが鳴った。
「誰かしら。宅配かもね」
美奈さんが玄関まで行ったとき、私は涙を拭う。
(やっぱり、どんなこと言われても、先生が好きって事実は変わらないんだ)
私はふとそんなことを思う。
そして戻ってきた美奈さんを見上げると、
「もも」
「ぴゃっ……!」
リク先生がそこに美奈さんと一緒に立っていたのだ。
好きなことはわかったけど、あまりに突然のリク先生の登場に、思わず顔を手で覆っていた。
酔い始めていたので、すぐに身を隠すことができなかったのだ。