腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
3章:二夜目
あれから、私と先生の日常は元に戻った。
と言っても、私が勝手に夢を見て、私が勝手に慌てていただけなんだけど。
「やっぱり今日もかっこいいなぁ……」
私は、昼休憩時、食堂に行く途中で打ち合わせ中のリク先生を見つけてうっとり見つめていた。
ちょうど、脳神経外科の医局前を通りかかったのだ。
やっぱりリク先生はかっこいい。あの優しさが最高なのだ。
断じて、強引なリク先生の方がいいとか思っているはずはない。
自分が思ってもないことを夢で見ることだってあるはずだ。