腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
その屋上で、私は結婚後の生活のことを斗真に吐き出していた。
私たちが最後までしてないってことも……。
斗真は呆れた顔で呟く。
「なんだ、やっぱりか」
「やっぱりって……」
私が見ると、斗真はまた息を吐く。
「今更だろ。昔から、李久さん、そういうのとは無縁そうじゃん。絶食系ってやつじゃねーの」
「草食でもなく絶食……」
本当にそうであれば子どもを持つという希望は0に等しい。