腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 その時、ふと、ドライヤーの風が止まる。
 髪はまだ完全には乾いていない状態だった。

「これ……」

 後ろから、先生の指先が首筋に触れる。

「へ? なんですか?」

 意味が分からないまま振り返ると同時、先生の手が後頭部を包み、そのままキスをされた。

「んんっ!」

 突然のキスに、私は目を白黒させる。

(昨日の夜みたいな、キス……!)

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