腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
―――なんだ、この光景は。天国か。
そのほのぼのした最高の光景にうっかり気を失いそうになりながら、彼の顔を見て熱くなった額に触れる。
「李久先生、今日もモテモテね。あの子、手術嫌だってずっと泣いてたのに、李久先生と話して、李久先生が手術してくれるならいいって頷いたのよねぇ……」
隣にいた室長が息を吐くように言った。
「本当、リク先生って、かっこいいですよねぇ……」
スタッフでなければ今すぐスマホで100連写くらいして写真に収めておきたいものである。
そう思ったとき、隣にいる室長が続ける。
「何見惚れてるのよ。自分の夫でしょう」