腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 泣きはらした目で先生を見つめると、先生はクスリと笑って目元にキスをする。
 そして、もう当たり前のように唇にキスをして舌を滑り込ませると、口内をすべて舐めとりながら太ももに触れ、力の入らない私の足を持ち上げる。

「もも、目をそらさないで。ほら、しっかり見て。僕のこと知って」
「も……無理ぃ……!」
「無理じゃないよ。ちゃんと全部知ってね」

―――こんなことは知りたくなかった。

 声にならない言葉が宙に浮いた。
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