腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる

 やっと喉が潤って、私は少し落ち着くと、じっと先生を見つめる。

「昨日の夜……先生、違う人みたいだった。だけど、今はもとどおり」

 ぽつりとつぶやいた言葉を聞いて、先生は口元を手で覆った。

「先生……?」

 リク先生は、ベッドの上に座って真剣な顔で私を見ると、

「あのね、ももに言わなきゃいけないことがある」とゆっくり口を開いた。
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