トメイト🍅ポテイト🍟

ファミレス③

クラブが終わるとtofuのファンだろうか、何人かの男女が彼の元へ寄り賑わっていた。

僕はひとまず外へ出て近くの公園のベンチで時間を潰した。

公園ではクラブにいた客が音楽を流し踊っていた。

そんな光景を眺めていると、まなみがやって来た。

初めは彼女に気づかなかった。

サングラスをかけ、ベレー帽を被っていたからだ。

「気づかれるとお客さんとの話が長くなっちゃうの」

彼女はそう言うと僕の隣に座り、煙草に火をつけた。

彼女はさっきまで流れていた音楽を思い出していたのだろう。

口ずさみながら体を揺り動かしていた。

「tofuさんから聞いたわ。あなたのことを」

彼女はそう言うと微笑んだ。

僕はtofuとの出会いから今に至るまでの話をしようとしたが、彼女はすでにtofuから聞いていたようだ。

30分ほどすると彼女の携帯が鳴り、それからtofuがやってきた。

tofuは身長が高いということもあり僕達はすぐに彼に気づいた。

ファミレスまでは歩いて向かった。

道中で彼は今日のクラブの感想や最近どんな音楽を聴いているかなど僕に質問した。

tofuは普段から多くの音楽を聴いている。

好きな音楽だけを聴くわけでなく、新しいものや興味がない曲も聞いていた。

音楽を語っていく上でそれは無駄なことではないのだろう。

むしろ研究や探究をしていく上で必然的なことなのだろう。

ファミレスに着くと彼らのファンが数名近寄ってきた。

今日はありがとう、tofuがそう言うとファンの人たちは感想を次々に話していた。

彼らが去っていくと僕らはビールとフライドポテトを注文した。

tofuとこういった形で話すのは初めてだった。

彼はラジオでも文面でも対面でも特にギャップのある人間ではなかった。

それが僕を安心させることになり、僕もフラットに話をすることができた。
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