トメイト🍅ポテイト🍟
3月③
とうとう試験の前日になった。
僕にできることは勉強を教えることと彼女を不安から救うことだった。
しかし彼女は緊張や不安を感じていないようにも見えた。
僕は一般の教師や家族のように応援をしたが彼女にはあまり伝わらなかった。
帰り際彼女にチョコレートをあげると、すごく喜んだ。
明日食べるために渡したつもりだが、その場で開けて食べた。
僕はそんな彼女を見ているとお母さんがいつものようにコーヒーを持ってきてくれた。
彼女は部屋にサックスを飾っていた。
埃すら被っていないところを見ると定期的に拭いていることを想像させた。
壁には彼女が好きなJ-POPの女性シンガーのポスターが飾ってあった。
棚にはクラシックやジャズのCDが並べられていた。
これが最後の授業になるのだろう。
卒業祝いにCDを買ってあげようと考えた。
彼女はチョコレートを食べ終えるとコーヒーを一口飲み棚から取り出したCDを流しはじめた。
目を瞑って椅子にもたれかかり客に合わせて指を動かしていた。
僕は帰ると言ったが彼女は何も答えなかった。
しばらくそのままでいたが夜遅くまで未成年の部屋にいたというのは分が悪い。
明日は寝坊しないようにとだけ言って部屋を出た。
彼女の両親は食事でもしていかないかと言ってくれたが、その気になれなかったのでお礼を言い帰った。
2週間後に合格発表があった。
彼女は体調が悪いとかというわけではなかったが見に行こうとしなかったようだ。
代わりに母親が見に行き、結果は合格だった。
偏差値もそこまで高くない高校ではあったが、彼女の人生の中で部活のコンクールと入学試験は貴重な体験だと思った。
夕方僕は一人で試験結果を見に行った。
彼女は一人で掲示された自分の番号をぼんやりと眺めていた。
「おめでとう」
彼女は聞こえてなかったのだろうか、いや聞こえてはいたが何がおめでたいのかわからないといった表情だった。
僕は彼女を近くのCDショップに連れて行き彼女の好きなCDを3枚プレゼントした。
彼女はあのTシャツが欲しいと言って洋服屋を指差したのでそれもプレゼントした。
彼女を家まで送ると母親が少し上がっていかないかと言ったので彼女の部屋でプレゼントしたCDを聴いた。
僕は思わず曲に合わせて身を揺らした。
僕にできることは勉強を教えることと彼女を不安から救うことだった。
しかし彼女は緊張や不安を感じていないようにも見えた。
僕は一般の教師や家族のように応援をしたが彼女にはあまり伝わらなかった。
帰り際彼女にチョコレートをあげると、すごく喜んだ。
明日食べるために渡したつもりだが、その場で開けて食べた。
僕はそんな彼女を見ているとお母さんがいつものようにコーヒーを持ってきてくれた。
彼女は部屋にサックスを飾っていた。
埃すら被っていないところを見ると定期的に拭いていることを想像させた。
壁には彼女が好きなJ-POPの女性シンガーのポスターが飾ってあった。
棚にはクラシックやジャズのCDが並べられていた。
これが最後の授業になるのだろう。
卒業祝いにCDを買ってあげようと考えた。
彼女はチョコレートを食べ終えるとコーヒーを一口飲み棚から取り出したCDを流しはじめた。
目を瞑って椅子にもたれかかり客に合わせて指を動かしていた。
僕は帰ると言ったが彼女は何も答えなかった。
しばらくそのままでいたが夜遅くまで未成年の部屋にいたというのは分が悪い。
明日は寝坊しないようにとだけ言って部屋を出た。
彼女の両親は食事でもしていかないかと言ってくれたが、その気になれなかったのでお礼を言い帰った。
2週間後に合格発表があった。
彼女は体調が悪いとかというわけではなかったが見に行こうとしなかったようだ。
代わりに母親が見に行き、結果は合格だった。
偏差値もそこまで高くない高校ではあったが、彼女の人生の中で部活のコンクールと入学試験は貴重な体験だと思った。
夕方僕は一人で試験結果を見に行った。
彼女は一人で掲示された自分の番号をぼんやりと眺めていた。
「おめでとう」
彼女は聞こえてなかったのだろうか、いや聞こえてはいたが何がおめでたいのかわからないといった表情だった。
僕は彼女を近くのCDショップに連れて行き彼女の好きなCDを3枚プレゼントした。
彼女はあのTシャツが欲しいと言って洋服屋を指差したのでそれもプレゼントした。
彼女を家まで送ると母親が少し上がっていかないかと言ったので彼女の部屋でプレゼントしたCDを聴いた。
僕は思わず曲に合わせて身を揺らした。