甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
プロローグ 過ちの夜
*3月初旬、深夜*
「……あっ」
彼がわたしのなかに入ってきたとき、キツく結んでいた唇が解けた。
「声……聞かせてよ」
吐息まじりの淫らな声で呟かれ、身体に震えが走る。
都内のラグジュアリーホテルの一室。
カーテンを閉める間もなく、彼に組み敷かれて……
欲望を孕んだ視線から逃れるため、わたしは顔をそむけた。
目に入ってきたのは、非現実的なほど巨大な、赤く光る東京タワー。
彼はわたしの顎に指を添え、自分のほうに向けた。
「こっち向いて……感じてる顔見せて……」
切なげに眉を寄せた島内さんの顔は、普段とまるで別人。
前髪が乱れて額にかかっているところも。
その隙間から覗く瞳が、欲情で潤んでいるところも。
ひとつだけ変わらないのは、見惚れてしまうほど精悍で整ったその容貌。
「……あっ」
彼がわたしのなかに入ってきたとき、キツく結んでいた唇が解けた。
「声……聞かせてよ」
吐息まじりの淫らな声で呟かれ、身体に震えが走る。
都内のラグジュアリーホテルの一室。
カーテンを閉める間もなく、彼に組み敷かれて……
欲望を孕んだ視線から逃れるため、わたしは顔をそむけた。
目に入ってきたのは、非現実的なほど巨大な、赤く光る東京タワー。
彼はわたしの顎に指を添え、自分のほうに向けた。
「こっち向いて……感じてる顔見せて……」
切なげに眉を寄せた島内さんの顔は、普段とまるで別人。
前髪が乱れて額にかかっているところも。
その隙間から覗く瞳が、欲情で潤んでいるところも。
ひとつだけ変わらないのは、見惚れてしまうほど精悍で整ったその容貌。
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