甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
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「というわけで、スポーツウェア市場は一般のアパレルに比べて市場規模が小さいですし、海外メーカー、国内メーカーひしめき合ってパイを奪い合っているのが現状で、そこに新たに参入するとなると厳しいことは確かです。まあ、そんなことは皆さん、自明のことでしょうから、分析するまでもないですが」
プレゼンを終えた橋本さんがそう言いながら席についた。
「まあ、スポーツウェアは最初の一手だからな。とりあえず、世間的に話題を取れれば充分というところはある。橋本、何かアイデアはないか」
「そうですね。手っ取り早いのは人気競技とのタイアップかと。有名選手と契約を結べれば、マスコミも取り上げてくれるでしょうし。でも、ある程度、知名度や人気があって、競技人口もそれなりにあるけど、まだ大手が絡んでいない競技と言ったら……難しいのはたしかですね」
「まあ、そこは各自アイデアを出せるように準備しておいてくれ。植田さん、午後までに議事録あげて、共有できるようにしておいて」
「はい」