甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

「でも……」
「植田さんが前の恋人のことでひどく傷ついたことは分かってるよ。だから、今まで無理強いはできなかった。でも信じてほしい。確信があるんだ。一生、きみを愛せる自信が」

　彼は一歩、前に歩み出た。

「俺は絶対、植田さんを傷つけないから。植田さんが好きだって、何万回でも言うよ。不安なんて一瞬だって感じさせない」

　彼はずっと、本当に長い間、いつだって、こうして真っ直ぐに想いを伝えてくれていた。

　あまりにも頑なだったわたしの心がようやく理解した。

　彼の気持ちを疑う必要なんて、少しもないことを。

「島内さんの言う通りです。やきもち……妬きました、橋本さんに」
「植田さん……」

　わたしも玄関に降りた。
　そして、自分から彼の腕にそっと触れた。

「島内さんが橋本さんと付き合っていると考えたらつらくて、どうにかなりそうでした」

　その言葉を聞いて、彼の顔にスローモーションみたいにゆっくり笑みが広がっていった。

　今なら、はっきり言える。

　わたしがこの世で一番好きな笑顔。