甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
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「奈月……なつ……き」
ベッドカバーを乱暴にはぐり、バスタオルでくるんだままのわたしをその上に横たえると、彼はわたしに覆いかぶさってきた。
ベッドの立てるぎしっという音が静寂を破る。
とたんに、また恥ずかしさがこみあげてくる。
「頬を真っ赤にして……なんでそんなに可愛いんだよ」
たえず愛していると囁きながら、島内さんは、わたしの肌に唇を這わせ、敏感なところに触れてゆく。
「あ……島内さん」
彼はわたしの唇にひとさし指を当て、言った。
「亮介だよ。言ってみて」
「り、亮介……さん」
「ああ、嬉しいよ、奈月。夢見てるみたいだ」
彼の手がわたしの脚にかかり、そのまま強い力で開かされた。
恥ずかしさに居たたまれない気持ちになって、つい閉じようとしてしまう。
でも、亮介さんは容赦なく、力を込めてそれを阻んだ。
「ごめん……今日はあのときみたいに、奈月を悦ばせてあげる、余裕が……ない」
見上げると、彼の表情はとても切羽詰まっていて……
どこかしら余裕を感じさせたあの夜とはまったく違う。