甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
エピローグ 新しいステージへ
〈2年後〉
2年前の合宿で孝之が言っていた通り、昨年行われたフットサルのワールドカップの日本代表に瀧正人が加入した。
ケガから復帰したばかりとはいえ、Jリーグで1、2を争うストライカーの加入は、予想どおり、世間のフットサルへの注目を高めた。
そして、瀧選手も期待に応える活躍を見せた。
組み合わせの幸運もあって、日本代表は初めて準決勝まで進むことができた。
3位決定戦では強豪アルゼンチンに圧倒されて負けたけれど、代表の雄姿は毎日、テレビやネットをにぎやかし、すっかり下火になっていたフットサル人気に再び火をつけた。
アズーリ東京のフットサルチームとわたしたちの会社のブランド《レゼル》の提携話は初動が早かったこともあって、独占契約という形で身を結んだ。
「よくやってくれたよ、島内。社長からボーナス弾むって言われてるぞ」
「それは気が早いですね。まだ、売り上げに繋がるかもはっきりしないのに」
そう答えながらも、亮介さんも嬉しさを隠しきれない様子だった。