甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
その恩恵の余波は孝之にまでおよんだ。
「腹、はちきれるほどごちそうになった」
電話の向こうの孝之の声は弾んでいる。
先日、亮介さんに西麻布の超高級焼き肉店に連れて行ってもらったのだけど、もうその話を聞くのは3回目だ。
亮介さんの指導のおかげか、孝之のチームも今までどうしても勝てなかった相手にようやく1勝をあげることができた。
そのこともあって、孝之の、亮介さんへの憧れもますますヒートアップしている。
「お兄さんって呼んでみたいんだけど、なかなか言えねえ」と初めて恋をしたうぶな中学生みたいなことを言っている。