甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
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「ただいま」
「おかえりなさい。お疲れ様」
亮介さんは、まず、わたしにキスして、それから、優しくお腹を撫でてくれる。
「元気にしてたかい?」
と、毎日赤ちゃんに話しかけながら。
「あー、待ちきれないな。あと4ヶ月かぁ」
亮介さんの言葉に返事をしたかのように、赤ちゃんがお腹の中で動いた。
「今、お腹蹴られたよ」
彼は蕩けそうな笑顔を浮かべた。
「この子も早く俺たちに会いたいんだな、きっと」
お風呂を出た彼にわたしは声をかけた。
「ねえ、お夜食食べる?」
亮介さんはわたしのそばに立ち、肩に両手をおくとゆっくり自分のほうに引き寄せた。
「奈月、毎晩待っていてくれなくても、先に寝ていいんだぞ」
「ううん、わたしが待っていたいから。それにお昼寝してるから大丈夫だよ」