甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
デザートを待つあいだ、島内さんは窓に目を向けながら話しかけてきた。
「実際に、東京タワーに登った人ってあんまり聞かないよな」
「わたし、ありますけど」
「へえ」
言ってから、しまったと思った。
だってそれは……裕樹につながる思い出だったから。
島内さんは、続きを促すようにわたしの眼を見つめている。
引っ込みがつかず、結局、わたしはぽつぽつと話しはじめた。
「大学生のころ、サークルで児童クラブをやっていて」
「児童クラブって」
「2ヶ月に一度、近くの小学生を集めて、イベントしたり、遠足したり、キャンプしたりするサークルで。そのとき、子供たちと一緒に行ったことがあったんです」
「なんか先生みたいだな」
「教師を目指していたので。でも向いてないって気づいて、今の会社に就職したんです」
「えー、そうかな。先生、ぴったりだと思うけど」
「実際に、東京タワーに登った人ってあんまり聞かないよな」
「わたし、ありますけど」
「へえ」
言ってから、しまったと思った。
だってそれは……裕樹につながる思い出だったから。
島内さんは、続きを促すようにわたしの眼を見つめている。
引っ込みがつかず、結局、わたしはぽつぽつと話しはじめた。
「大学生のころ、サークルで児童クラブをやっていて」
「児童クラブって」
「2ヶ月に一度、近くの小学生を集めて、イベントしたり、遠足したり、キャンプしたりするサークルで。そのとき、子供たちと一緒に行ったことがあったんです」
「なんか先生みたいだな」
「教師を目指していたので。でも向いてないって気づいて、今の会社に就職したんです」
「えー、そうかな。先生、ぴったりだと思うけど」