甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
島内さんは氷の入ったグラスをもてあそびながら、わたしに視線を合わせた。
「俺、植田さんみたいな綺麗な先生が担任だったら、一生懸命勉強しただろうな。褒められたくて」
「島内さんって……本当に口がうまいですね」
「だから本心だって。何言っても信じてくれないんだな、植田さんは」
そう、あの日。
子供たちと東京タワーに登った日の帰り道だった。
裕樹から告白されたのは。
わたしも彼が好きだったから嬉しいと気持ちを伝えて、付き合い始めた。
そして、はじめてのキスを交わしたのも東京タワーが見える公園だった。
――別れてくれないか……ごめん、自分に嘘はつけない……
もう、嫌だ。
思い出したくない。
わたしはグラスに手を伸ばし、半分ほど残っていたワインを一気にあけた。
酔いが急激に回り、頭がくらくらした。
「俺、植田さんみたいな綺麗な先生が担任だったら、一生懸命勉強しただろうな。褒められたくて」
「島内さんって……本当に口がうまいですね」
「だから本心だって。何言っても信じてくれないんだな、植田さんは」
そう、あの日。
子供たちと東京タワーに登った日の帰り道だった。
裕樹から告白されたのは。
わたしも彼が好きだったから嬉しいと気持ちを伝えて、付き合い始めた。
そして、はじめてのキスを交わしたのも東京タワーが見える公園だった。
――別れてくれないか……ごめん、自分に嘘はつけない……
もう、嫌だ。
思い出したくない。
わたしはグラスに手を伸ばし、半分ほど残っていたワインを一気にあけた。
酔いが急激に回り、頭がくらくらした。