甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 わたしが答えないうちに、島内さんは呟くように言った。

「彼氏に振られた?」

 何も言い返せず、わたしはただ彼を見つめた。
「図星か」

 うなだれるわたしに、彼はとても優しい声音で語りかけてきた。

「よければ俺に話してみないか。なんでも聞いてやるから」
「でも……ぜんぜん楽しい話じゃないですし」
「わかってるって、そんなこと。ひとりで抱え込んでばかりいないで、たまには他人に甘えてみろよ。少しは気が楽になるかもしれないだろう?」

 甘えてみろ。
 その言葉が素直に嬉しかった。
 
 本当は誰かに聞いて欲しかった。
 そして、答えが欲しかった。
 わたしが悪かったのかどうか。

 そう思ったら、とめどなく言葉が溢れ出し、止まらなくなった。
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