甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜

「課長、いくら女性同士でもそれ、ぎりぎりセクハラな気がしますけど」
「ははっ。でも良かった。植田さんが復活してくれて。これから忙しくなるから。頼りにしてる」
「はい。ご心配おかけしてすみませんでした」

　水野課長は立ち上がって、わたしの肩をポンと叩いた。

　相手は島内さんだったから、厳密に言えば彼氏と、ではないけど。
　しかも、一晩だけの失恋とお酒がもたらした過ち。

　わたしにとっては、まさに天地がひっくり返るような出来事だった。
　自分の身にあんなことが起こるなんて……
　
　4日経った今でも信じられない。

　ただ、あのショック(？)療法が功を奏したのか、すこしだけ気力が戻ってきた。

　憂鬱な気分がすっかり晴れたわけではない。