甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 うーん、でもやっぱり、彼の言葉を鵜呑みにできない。
 
「でも島内さん、会社で一番モテる人だし。周りに綺麗な人が大勢いるし。やっぱりその話は信じられないです」
「いや、モテたりしてないって。情けない奴だよ、俺は。好きな子ひとり、彼女にできないような……」
「そんなこと――」
 わたしの言葉を遮るように、さらに真剣な表情を向けてきた。

 熱のこもった眼差しで。

 急に周りの空気が濃密になった気がして、息がつまりそうになる。

「あれからずっと悩みつづけて、やっぱり植田さんに俺の気持ちを伝えなきゃ始まらないって結論に達した」

 おそるおそる彼を見る。

 ずっと目をそらしてない。
 どうしよう。心臓が口から飛び出しそう。
 身体もそわそわする。
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