黒曜の戦場
黒曜の戦場

1.王道かと思うじゃん?



その日、高校の制服に身を包んでいた私は、大きな画材を抱えて歩いていた。

それにしても、買い過ぎた。

水彩画、パステル画、切り絵などをよく楽しむ私は、つい欲望に駆られるままに、買い過ぎて自分の首を絞めていたのである。



新しいスケッチブックにアナログイラスト用の画用紙(種類の違うものを各種)、さらに絵具、カラーの筆ペン、イラスト資料用に分厚いカラー本を、悩んだ末に三冊、イラスト保存用のファイルまで。

買いすぎ、た。



これだから文房具屋さんの誘惑には毎度負けてしまう。

アナログで絵を描く人の欲深さは終わりが見えないのだ。

なんてったって、消耗品だし、紙の種類ってだけでたくさんあるのだから。

それに不定期に行われているセール、セールはヤバい、買わなければいけないという使命感。



ゆえに、ばかでかい買い物袋を下げている私はきっと、誰よりも目立っていたことだろう。



「あァ?ねーちゃん、ちっと待ちな」

「え……なん、ですか」

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