黒曜の戦場
顔だけぐりんと見上げるように後ろに向けてて、それもまたホラー再来である。ひぃ!!
「なに未夜、見てたのかよ。それと──」
未夜くんから私へと移る視線に。
「琥珀ちゃんですっ!!おはようございます!!」
琥珀は今日も腰から90度お辞儀をめいいっぱいの気持ちでした。
やっぱり今日も顔怖いんだもぉぉぉぉ!!!
「うっぜ」
ヘッドホンを外してからまた首をこきこき、腕をこきこき……よく鳴る体ですね!!
体折れない?大丈夫??
「なんなのお前」
そう呟かれ、早くもウザがられているのか?と顔をチラリと上げる。
けれど、視線は彼の正面……スマホに向いていて。
「あ、の……おにぎり、食べませんか……?」
「は?」
本格的に嫌われていそうな雰囲気を感じ取り、本題をさっさと出して早急に逃げることにした。
くるりと体ごとこちらを向いたいおりさんはその瞳に私たちを映し、その視線が未夜くんと繋いでいた手に移る。
…………はっ!!おてて繋いだままだった!!!
けれど未夜くんはぎゅっと握って離してくれる気はなさそうだ。